メニエール病は激しいめまい発作に難聴や耳鳴りも伴う病気。
日常生活に大きな支障を起こす。
治療法の1つに「中耳加圧治療」がある。
医療機器を借りて自宅で自分一人で行います。
基本の治療と手術の中間的な位置づけの「中耳加圧治療」とは?
目次
中耳加圧治療はどんな治療法?
メニエール病の患者が耳鼻咽喉科専門医を受診した上で、医療機器を借りて自宅で自分一人で行う治療法。
毎日朝夕の2回、3分間ずつ機器を使う。
遅発性内リンパ水腫患者も中耳加圧治療の対象。
この医療機器の本体につながるイヤホンから、強弱がついた圧力(圧波)が出ます。
この圧力が中耳を経由して内耳まで届き、たまったリンパ液を外に押し出す。
個人的はありますが、圧波はトンネルで耳がキーンとなる感覚に似ていて痛みはない。
メニエール病は耳の一番奥にある内耳にリンパ液が過剰にたまることで起こる。
たまったリンパ液を外に押し出す方法というわけですね。
月1回、主治医を受診して、めまいの回数や程度を記録した「日誌」を提出する。
「中耳加圧治療」は公的医療保険の対象。
どこの病院に行けば良いか?
最新情報は更新されるので耳鼻咽喉科で聞くか検索をしてください。
富山大と岐阜大で実施した臨床試験(治験)で、中耳加圧治療を約4か月間続けた19人は、重いめまい発作の回数が月平均で7.4回から1.4回に減りました。
富山大耳鼻咽喉科教授の将積(しょうじゃく)日出夫さんの話。
「再発予防も踏まえると、1年は続けることが大切。すぐに治したいなら、この治療をせずに手術する選択もある」
東海大(神奈川県伊勢原市)耳鼻咽喉科准教授の五島史行さんの話。
「自宅で中耳加圧治療に取り組めば、めまいを自分で治そうという意欲が湧き、運動を始めるなど生活全般にも良い影響が期待できる」
メニエール病の手術
リンパ液を排出する通路を作ったり、鼓膜に針を刺して中耳に薬を入れ、めまいを感じる神経を壊したりする手術。
すぐに効果が期待できる一方、再発や聴力低下のおそれがある。
これに比べたら、中耳加圧治療は体に負担をかけないメニエール病の治療だということがわかる。
耳の内視鏡手術について
手術の話をしたので耳の内視鏡手術についても書きます。
対象になる病気は慢性中耳炎、中耳真珠腫、耳硬化症など。
※患部の位置や大きさにより、対応できないこともある。
最近の耳の手術は耳の後ろを切らなくても良くなりました。
直径2.7ミリの内視鏡と手術器具を耳の穴の中に入れ、モニターに映し出された拡大画像を見ながら手術を進める。
全身麻酔で行い、耳の後ろは切らずに済むというもの。
手術後の痛みも少ない。
耳を切る場合は2週間くらい入院する必要があります。
内視鏡を使った手術だと治りが早く数日程度の入院で済むことが多い。