自律神経とは、体のさまざまな機能の微調整を行う役割を果たしている神経で、交感神経と副交感神経から成り立っています。
交感神経は活動する神経といわれ、緊張状態を作り出し、精神・身体活動を活発にする。
副交感神経は休む神経と呼ばれ、心身をリラックスさせる働きがある。
この2つがバランスをとり合うことで、緊張とリラックスがほどよく調和し、体の内部環境が一定に保たれているのです。
目次
自律神経を整える自律訓練法のやり方
●基本姿勢
仰向けに寝るか椅子に腰掛け、目とロを軽く閉じる。
●スタート
「気持ちが落ち着いている」と暗示をくり返す。
気持ちがゆったりするまで続ける。
●第1公式:手足の重感練習
右手(利き手)が重い→右足が重い→左手が重い→左足が重い、の順に暗示をかける。
●第2公式:手足の温感練習
右手(利き手)が温かい→右足が温かい→左手が温かい→左足が温かい、の順に暗示をかける。
お湯につけているところを想像しながらやるとよい。
●第3公式:心臓調節
心臓が静かに、規則正しく打っている、とイメージ。
●第4公式:呼吸調節
楽に呼吸している、とイメージ。
●第5公式:腹部温感調節
胃のあたりが温かい、とイメージ。
●第6公式:額の調節
額が涼しい、とてもさわやか、とイメージ。
●打ち消し動作
両手の開閉や腕の屈伸運動、そして大きく伸びをして終わる。
*妊娠中や心臓、呼吸器、消化器、脳に疾患のある場合は行わない。
交感神経・副交感神経の働き
精神活動
交感神経=促進、活発化させる
副交感神経=休息する
瞳孔
交感神経=拡大する
副交感神経=縮小する
心筋・心拍数・血圧
交感神経=収縮、増加、上昇させる
副交感神経=弛緩、減少、下降させる
呼吸
交感神経=激しくする
副交感神経=穏やかにする
膀胱
交感神経=尿をためる
副交感神経=排尿する
消化器、消化液の分泌
交感神経=抑制する
副交感神経=促進する
生殖器
交感神経=子宮の収縮、排卵を促進させる
副交感神経=子宮を弛緩させる
ホルモン分泌
交感神経=促進する
副交感神経=安定させる
皮膚
交感神経=発汗、烏肌をたてる
副交感神経=乾燥させる
血糖・血中脂質
交感神経=上昇させる
副交感神経=安定させる
交感神経と副交感神経のバランスの乱れ
一方の神経が働きすぎたり、切り替えが悪いと、問題が起こります。
朝起きて交感神経の働きが悪いと、通勤電車でめまいを起こしたり、午前中ぼーっとしたり。
逆に交感神経の働きがすると動悸が激しくなったり、ということが起こります。
こういった不安や緊張を自分自身でコントロールするためのメゾットが「自律訓練法」です。
ドイツの精神科医のシュルツによって開発され、心理療法として既に確立されたものだが、健康な人が緊張をほぐしたり、アスリー卜が大事な試合前に集中するために行うことも多く、心療内科やカウンセリングセンターなどで指導を受けることができる。
手軽にできる有効な手段なので、ぜひマスターしてみてはいかがでしょうか?
亢進(こうしん)・・・何らかの原因でホルモンのバランスが崩れ、甲状腺としての働きが必要 以上に活発になった状態。