歩いたり、走ったり、階段の昇り降り。
気づいたら息が上がっている。
肺の機能が低下すると呼吸がしにくくなります。
呼吸がしにくいのは、肺活量は関係ありません。
少しでも呼吸ができるように肺を鍛えておくことは必要。
肺炎対策にもなります。
呼吸法と呼吸筋ストレッチをして、肺年齢を若くして長生きしましょう。
<目的>
息を1秒間でどれだけ吐けるかを強化する。
肩からおなかにかけて3種類以上存在している呼吸筋を強化する。
肺の機能は一度失われると、もとに戻すことができません。
しかし、肺の周囲の呼吸筋をストレッチすることで、呼吸機能を向上させることはできます。
目次
お家でできる肺年齢の測定方法
1.ティッシュを丸めて掌に置く。
2.口から20センチ離れたところで一息で吹く
<測定結果>
・2m以上飛んだ
肺年齢は30代~40代。
・1m前後飛んだ
肺年齢は60代。
・1メートル以下
医療機関での肺機能検査。
息切れ、しつこいたん、声のかすれ、喉のつかえがある方は、呼吸法と呼吸筋ストレッチをしてみませんか?
ただし、無理は絶対しないでください。
メニューと注意点
・姿勢は正しく
日常生活で「息を吸うときは鼻から」を心がける。
・呼吸法
よこぶえ呼吸、横隔膜呼吸
・呼吸筋ストレッチ
ストレッチは5回前後やる。
気持ちよく体が伸びていることが大事。
肩や腰に痛みを感じたら、無理せず中止してください。
自己責任で。
横笛呼吸
横笛呼吸は、呼吸法の初級編
1.口から息を吐く
イスや床に座り、リラックスできる姿勢。
口をやや横に広げ、薄く唇を開いてゆっくりと空気を吐く。
10秒から15秒かけて吐くのが理想。
横笛やフルートをイメージ。
できればすべて吐ききる。
無理はしないでください。
2.鼻から息を吸う
息は吐ききれば、自然と空気が体内に入る。
あわてずゆっくり、5~6秒ぐらいかけて吸う。
吐く、吸うを1ユニットとしてくり返す。
横隔膜呼吸
横隔膜呼吸は中級です。
できないと感じた場合は初級編だけでもOK。
上級編はありませんが、横隔膜呼吸は肺機能&呼吸力アップが期待されます。
1.鼻から息を吐く
リラックスしてイスに座る。
7~8秒かけて鼻からゆっくり息を吐く。
吐き終わったところから、さらに吐いて、すべて吐ききる。
2.鼻から息を吸う
鼻で息を吸うが、吐ききれば自然と空気が体内に入ります。
あわてず、ゆっくり、5秒ぐらいかけて吸う。
吐く、吸うを1ユニットとしてくり返す。
口を閉じる練習に、市販の「鼻呼吸テープ」を利用してもいいでしょう。
鼻呼吸には汚れた空気の浄化作用もありますよ。
日ごろから鼻呼吸を心がける。
ボールを抱くポーズ
1分1セット。
呼吸筋である横隔膜の働きを促進し、肺機能全体を高める基本の呼吸筋ストレッチ。
1.両腕で、ボールを抱えるボーズをとる。
両脚を開いて立ち、ゆっくり息を吐きながらひざを徐々に落とし、背中を丸めて腰を落とす。
両腕で、ボールを抱えているイメージで手を胸の前で輪にする。
バランスボールをお持ちなら、持ってやってみる。
2.両腕を前に伸ばす
両手をボールを抱える形のまま前に伸ばす。
10秒かけて息を吐き、肺から空気を抜く。
息をゆっくり吸いながら1のポーズに戻る。
3.体を右にひねる
再び10秒かけて息を吐きながら、上半身をゆっくりと右方向にひねる。
息をゆっくり吸いながら1のポーズに戻る。
反対側(左)も同様にストレッチする。
鎖骨回しストレッチ
30秒×1セット。
深呼吸には肩甲骨の柔軟性が欠かせません。
肩甲骨を柔らかくするストレッチ。
鎖骨に手を当てて回せば、肩甲骨まわりの筋肉もほぐれます。
1.両手を鎖骨に当てる。
両手を鎖骨の上に置き、腕はリラックスさせておく。
2.ひじを外側に回す
鎖骨につけた手を起点にして両ひじを横に上げ、
外側に大きく1~2回回す。
同様に、反対(外側から内側)にも回す。
肋間筋ストレッチ
1分×1セット。
横隔膜がメインの呼吸筋なら肋間筋はそれに次ぐ呼吸筋です。
肋間筋を柔らかくするストレッチ。
1.左手を頭につけ、腕を横に上げる。
イスに深く腰かけて背筋を伸ばす。
左手を横に上げ、頭のうしろに手のひらをつけて腕で三角形をつくる。
右手は腰に当て「休め」の姿勢をとる。
2.ひじを上げる
息をゆっくり吐きながら上半身を右横に倒していく。
左手のひじを上に上げていくイメージで行うと、肋間筋を伸ばしやすい。
倒したところで少し息を止めたあと、ゆっくりと1の姿勢に戻し、楽にする。
手を替えて同様に右側もストレッチする。
大胸筋ストレッチ
1分×1セット。
大胸筋のストレッチ。
ご高齢の方でも楽に安全に行えます。
1.ひじとひざを地面につく
四つん這い。
腕と脚を肩幅の広さにし、ひじとひざをつく。
2.右腕を90度に伸ばす
左腕は何もしない。
右の手のひらを床につけたまま滑らせ、体と90度になるように伸ばす。
右肩は床につけ、右胸も床に近づけて背中を反らす。
腕を90度に伸ばす動きで大胸筋の上部がストレッチされる。
左肩も同様にストレッチする。
3.右腕を135度に伸ばす
斜め前に。
伸ばした腕を、横から頭のほうに移動する。
脇が135度くらいに開くようにして、大胸筋の下部をストレッチする。
同様に反対側もストレッチする。
肩の痛みがある人、腕が伸ばしづらい人は無理はしないでください。
徐々に腕を上に伸ばせるようストレッチをつづけてください。
骨盤底筋ストレッチ
10秒×10セット。
骨盤底筋は息を「吐く」サポートをしています。
猫背になって長く座っていると硬くなりがちな、この筋肉を簡単にゆるめるストレッチです。
1.両手足をつく
脚と手を肩幅に開き、両手足をつく。
四つん這い。
2.背中を丸める
息を吐きながら、ネコが伸びをするように、背中を丸める。
このとき肛門が自然と締まる。
3.頭と背中を反らす
息を吸いながら頭と背中を反らし、お尻を突きだして肛門をゆるめる。
ハンモック筋ストレッチ
10秒×10セット。
ハンモック筋とは、骨盤底筋のことで、自分の意思で動かすことが難しい筋肉。
1.あお向けに寝る。
あお向けに寝て、ひざを90度に立てる。
2.お尻を持ち上げて肛門を締める。
息を吐きながら、お尻を少し持ち上げ、肛門を締める。
頭の方向へおしりを引き上げるイメージで。
慣れてきたらお尻を床につけたままで行う。
3.お尻を下げて肛門をゆるめる
息を吸いながらお尻を下げ、肛門をゆるめていく。
頭のほうへ引き上げた肛門を少しずつ元の位置に戻すイメージで。
お尻が床に着き、おなかの筋肉がゆるんだら、もう一度息を吸う。
おなかの内側の筋肉をゆるめるイメージで。
呼吸補助筋ストレッチ
30秒×1セット。
腹直筋を緩めるストレッチ。
1.うつぶせ寝
うつぶせに寝て、両ひじは床につける。
2.ひじをついて上半身を上げる。
ひじをついた状態で上半身を上げる。
このとき、おへそは床につけたまま上げない。
腰に痛みがない人は、もう一段階上のポーズにチャレンジ。
1の姿勢からひじを伸ばし上半身を反る。
背中や腰に痛みがある方は、やらないでください。
または、医師にご相談を。