キーゼルバッハ部位とは、鼻腔入り口(鼻の穴)から1cmくらい奥にある血管がたくさん集まっている部分。
通常の鼻血はキーゼルバッハ部位が切れた鼻血です。
この普通の鼻血なら5分~10分で止血可能。
病気が原因の鼻血の場合は、止まりにくくなっている場合があるので注意が必要です。
病気や薬が伴う危険な鼻血と普通の鼻血を5分で止血する方法をお伝えします。
目次
病気と薬が原因の鼻血
何らかの病気や薬が原因で、鼻血が出やすくなることがあります。
キーゼルバッハ部位より奥の粘膜の動脈から出血する鼻血は大変危険です。
鼻血を繰り返す人は以下の原因が考えられます。
病院へ相談してください。
高血圧・動脈硬化
高血圧や動脈硬化によって血管がもろくなると、突然、鼻の粘膜の動脈から出血することがあります。
この場合は、かなりの量の出血があり、また止まりにくいため、血液がのどにも流れ込んでしまい、誤嚥や窒息が起こる危険性力あります。
肝臓・腎臓・血液の病気
肝臓・腎臓・血液の病気があると、血液中の出血を止める成分をつくる働きが低下するため、鼻血が出たり、止まりにくくなったりすることがあります。
キーゼルバッハ部位からの出血がほとんどですが、歯肉(歯ぐき)など、ほかの部位からも出血する場合があります。
抗凝固薬・抗血小板薬の服用
心筋梗塞や脳梗塞などの治療や予防のために、血栓をできにくくする抗凝固薬や抗血小板薬を使っている場合、鼻血が出て止まりにくくなることがあります。
鼻の腫瘍
鼻に腫瘍がある場合、腫瘍から出血し、鼻血が繰り返し起こることがあります。
オスラー病
オスラー病とは、血管がもろくなる遺伝性の病気で、国の指定難病の1つです。
オスラー病を発症すると、鼻だけでなく、肺や脳などの血管からも出血することがあります。
5分で鼻血を止める方法
鼻血が出ると、突然の出血で慌ててしまぅかもしれませんが、落ち着いて適切に対処することが大切です。
それでは正しい止血法をご紹介します。
鼻血が出たときは、まずは気持ちを落ち着かせていすなどに座ります。
顔を少しうつむけて、出血している側の小鼻(鼻の穴の横の、膨らんでいるところ)を、人さし指など1本の指で5分間ほど押さえ続けます。
5分たったら小鼻から指を離して、止血できているかどうかを確認します。
鼻血が止まっていない場合は、もう一度小鼻を5分間ほど押さえます。
キーゼルバッハ部位からの出血であれば、ほとんどの場合、小鼻を押さえることで鼻血は止まります。
キーゼルバッハ部位からの出血とは
鼻腔(鼻の中の空間)の内側の粘膜には、たくさんの血管が走っています。
特に、鼻腔入り口(鼻の穴)から1cm程度奥にある「キーゼルバッハ部位」には、血管がたくさん集まっており、指でひっかくなどのちょっとした刺激で出血してしまいます。
鼻血のほとんどは、キーゼルバッハ部位からの出血です。
鼻をぶつけたり、鼻をほじつた際などにキーゼルバッハ部位の粘膜が傷つくと、鼻血が出ることがあります。
また、「慢性副鼻腔炎」や「アレルギー性鼻炎」などの鼻の病気があると、鼻をいじったり、鼻をかむ回数が増えたりすることで、鼻血が出やすくなります。
これらの出血も、キーゼルバッハ部位からの出血であることがほとんどです。
一般に、キーゼルバッハ部位からの鼻血はあまり、心配ないとされています。
鼻血と食べ物の関係は?
チョコレートやナッツ類などを食ベると、鼻血が出やすくなるといわれることがありますが、確かな根拠はなく迷信。