高脂血症の薬には、どんな種類があり、どんな働きがあるのか?
現在では高脂血症のことを脂質異常症と表現しています。
目安として治療の目標値も掲載しました。
冠動脈疾患のリスクを計算できる方法もありますので活用してください。
「吹田スコア」と「これりすくん」です。
目次
LDLコレステロールが多い場合
薬名:スタチン
働き:コレステロールの合成を阻害する。
薬名:小腸コレステロール輸送体阻害薬
働き:コレステロールの吸収を阻害する。
薬名:陰イオン交換樹脂製剤
働き:胆汁酸を吸着してコレステロールの分解を促進する。
薬名:プロブコール
働き:コレステロールの肝臓への取り込み促進、LDLの酸化を抑制する。
薬名:PCSK9阻害薬(注射)
働き:LDLの分解を促進する。
中性脂肪が多い場合
薬名:フィブラート
働き:中性脂肪の生成を抑制・分解を促進する。
薬名:選択的PPARαモジュレーター
働き:中性脂肪の生成を抑制・分解を促進する。
薬名:ニコチン酸誘導体
働き:中性脂肪の生成を抑制する。
薬名:n-3系多価不飽和脂肪酸
働き:血栓予防、中性脂肪の生成も抑制する。
治療の目標値(75歳未満)
一次予防
HDLコレステロール 150mg/dl以下
non-HDLコレステロール 40mg/dl以上
LDLコレステロール
低リスク群 160mg/dl以下 90mg/dl以下
中リスク群 140mg/dl以下 170mg/dl以下
高リスク群 120mg/dl以下 150mg/dl以下
二次予防(すでに狭心症や心筋梗塞などを発症した人)
HDLコレステロール 150mg/dl以下
non-HDLコレステロール 100mg/dl以上
急性冠症候群(ACS)などは、HDLコレステロール 70mg/dl以下
冠動脈疾患のリスク計算式を活用
「吹田スコア」計算表でリスクを知ることができます。
今後10年間の心筋梗塞のリスクがわかる。
(冠動脈疾患)
是非「吹田スコア」で検索して調べてみてください。
耐糖能異常とは、 血糖値が正常と糖尿病の間にある人。つまり糖尿病予備軍のこと。
早発冠動脈疾患家族歴とは、 若い時に狭心症や心筋梗塞を発症した人が家族にいるかどうか。
冠動脈疾患発症予測ツールというのもあります。
これりすくん
日本動脈硬化学会HPからダウンロードできます。
一般の方向けの冠動脈疾患発症予測ツールです。
iOS版、Androido版はサイトからダウンロードしてご使用ください。
冠動脈疾患発症予測ツール これりすくん Web版もあります。
是非「吹田スコア」で検索して調べてみてください。
コレステロール値で注意が必要な数値
その数値とはnon-HDLコレステロールの数値です。
non-HDLコレステロールは、HDL以外のコレステロールのこと。
総コレステロールーHDLコレステロールでnon-HDLコレステロールの数値が分かります。
引き算をしてください。
non-HDLコレステロールの中にLDLコレステロール(悪玉)とレムナントコレステロール(超悪玉)などがあります。